足利事件 検察側が無罪論告 菅家さんに謝罪(毎日新聞)

 栃木県足利市で90年、4歳女児が殺害された「足利事件」で無期懲役判決を受け、昨年6月に釈放された菅家利和さん(63)の再審第6回公判が12日、宇都宮地裁(佐藤正信裁判長)で開かれた。検察側は論告で「取り調べられた証拠により、無罪を言い渡すべきことは明らか」と無罪を論告。「まことに申し訳なく思っています」と菅家さんに謝罪した。

 弁護側は最終弁論で、有罪の決め手となった自白に任意性はなく、警察庁科学警察研究所(科警研)のDNA鑑定とともに証拠能力がないと主張。有罪判決を下した裁判所に謝罪するよう求めた。

 公判は同日結審し、3月26日に無罪が言い渡される。地裁が捜査の問題点や裁判所の責任に言及し、菅家さんの求める「真っ白な無罪判決」にどこまで応えるかが注目される。

 検察側は論告で、犯人と菅家さんのDNA型が一致しないとした二つのDNA再鑑定や自白の信用性には触れなかった。「真犯人ではない菅家さんを17年あまり服役させ、取り返しがつかない。今後このような事態を起こさないよう取り組んでいく所存です」と謝罪し、わずか約1分で論告を終えた。

 弁護側は最終弁論で、科警研のDNA鑑定の誤りに加え、「起訴後に否認した菅家さんを法廷外で再度自白させた検事の取り調べは違法だ。内容も不自然なのに裁判所は心証を変えなかった」と捜査や裁判の過ちに言及。判決で裁判所の責任に言及するよう求めた。【吉村周平、安高晋】

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波元会長に懲役18年求刑=「空前の大規模詐欺」と検察側−「円天」事件、来月判決(時事通信)

 疑似通貨「円天」を使った健康関連商品販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」(破産)の巨額詐欺事件で、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)罪に問われた元会長波和二被告(76)の論告求刑公判が8日、東京地裁(山口裕之裁判長)であり、検察側は「ほかに類を見ない空前の大規模詐欺の首謀者」として、懲役18年を求刑した。
 検察側は論告で、L&Gが集めた協力金は2000年以降で約1285億円に上ったと指摘。被告はL&Gの絶対的経営者として部下に犯行を指示した上、得た利得も少なくとも16億5000万円と突出して多く、刑事責任は重大だとした。
 一方、弁護側は最終弁論で、被告はだまして金を取る意図はなかったとして改めて無罪を主張した。公判はこの日で結審し、判決は3月18日に言い渡される。 

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家賃の悪質取り立て禁止=入居者保護法案を提出へ−国交省(時事通信)

 国土交通省は12日の政策会議に、賃貸住宅の入居者を悪質な家賃取り立てから保護する法案を提示した。勝手に鍵を換えて部屋に入れなくしたり、深夜や早朝に家を訪れて督促したりすることなどを禁止。違反すれば2年以下の懲役または300万円以下の罰金を科し、さらに悪質な事例には両方を科す。
 連帯保証を有料で引き受け、家賃の支払いが遅れれば立て替える保証業者らが、滞納した入居者に強引な取り立てをするトラブルが続発しているのに対応する。政府は月内にも閣議決定し、今国会での成立を目指す。
 家賃債務の保証業者には登録制を導入し、5年ごとの更新を義務化。名義貸しや誇大広告、暴力団員を雇うことなどを禁じる。悪質な業者には国交相が業務の改善や停止を命じたり、登録を取り消したりできるようにする。 

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原因分析の責任は評価機構に―産科補償制度(医療介護CBニュース)

 日本医療機能評価機構の産科医療補償制度原因分析委員会は2月9日、第12回会合を開き、原因分析報告書の内容などについての責任は、制度を運営する同機構が負うことを決めた。

 一方、「原因分析報告書作成マニュアル」では、報告書の作成に当たる同委員会の部会の委員の氏名、所属を報告書に記載するとしている。このため、部会が対外的な責任を負うかのような印象を与えるとして事務局は、原因分析を実施した産婦人科医や弁護士などの委員の氏名を、分娩機関や児・家族に送付する報告書には記載する一方、希望者に公表するものにはマスキングするか削除するとの案を提示した。
 これに対して鈴木利廣委員(弁護士)が、「マスキングする必要はない」と反発。「責任と専門性はコインの裏表。わたしが想像する限り、弁護士で名前を隠してくれと思っている人は一人もいないと思う」と述べた。一方、石渡勇委員(石渡産婦人科病院院長)は「原因分析をした事柄について、いろいろな職種の人から質問や苦情、非難ということが起きる可能性はないか」と問題点を指摘した。その後、部会委員への配慮も必要などの意見が出たため、マスキングはしないものの、委員への個別の取材や問い合わせは受け付けず、すべて同委員会、日本医療機能評価機構が受けることで決着した。
 
 また同日、部会が作成した原因分析報告書の承認の可否について、非公開で初めて審議が行われた。同機構では詳細について、現時点で「公表できない」としている。


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未明に民家全焼、焼け跡から2遺体…埼玉(読売新聞)

 6日午前3時15分頃、埼玉県鴻巣市上谷、和田文生さん(60)方から火が出ているのを通りかかった男性(38)が見つけ、119番した。

 約2時間20分後に鎮火したが、木造2階住宅が全焼し、焼け跡から和田さんと妻とみられる2人の遺体が見つかった。

 鴻巣署で身元確認を急ぐとともに、出火原因を調べている。

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日米でプリウスをリコール=今週前半にも、30万台−トヨタ(時事通信)

 トヨタ自動車は8日、ハイブリッド車の新型「プリウス」のブレーキ不具合をめぐる問題で、日米でリコール(回収・無償修理)する方針を決めた。対象は昨年5月に発売された最新モデルで、1月末までに販売された約30万台。日米の運輸当局と調整の上、今週前半にも発表する。1月末以降に生産した車は処置済みでリコールの対象外とする。
 新型プリウスをめぐっては、でこぼこの路面や滑りやすい雪道などを低速で走行した際、ブレーキが瞬間的に利かないとの苦情が日米を中心に相次いでいる。日本では20万台弱、米国では10万台前後が対象に上るとみられる。
 トヨタは、横滑りなどを防いで車体をコントロールするアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)の作動時に発生する現象とみており、ブレーキの制御ソフトを修正することで対処できるとしている。 

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お灯まつり 山から滝のように流れる炎 和歌山県新宮市で(毎日新聞)

 勇壮な火祭り「お灯(とう)まつり」が6日夜、和歌山県新宮市の神倉神社であり、山上から駆け下りる2461人の男たちがかざしたたいまつの炎が滝のように流れ、夜空を染め上げた。

 世界遺産・熊野速玉大社の摂社、神倉神社に約1400年前から伝わる女人禁制の神事で、「熊野年代記」によると、日本最古の火祭り。「上り子」と呼ぶ祈願者が、白装束にわらじばき、腰に荒縄を巻いたいでたちで、ご神体「ごとびき岩」のある神倉山上に集結。神火から火を移したたいまつを持ち、山門の開門を待った。

 午後8時に山門が開くと、上り子たちは一斉に走り出し、538段の急な石段を飛ぶように下った。市街地からは、観光客らが闇に連なる炎の帯に歓声をあげた。【神門稔】

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 自民党は週末の6、7両日、鳩山由紀夫首相と小沢一郎民主党幹事長の「政治とカネ」の問題などを追及するため、全国一斉の街頭演説に乗り出す。小沢氏は不起訴処分になったものの、「幹事長職にとどまる限り、民主党の支持率は確実に下がる」(幹部)とみて、国会論戦と並行して各地で有権者に直接アピールする戦術だ。

 大島理森幹事長が5日、各都道府県連に文書で指示した。首相らの政治資金問題のほか、小沢氏の意向が強く反映される鳩山政権のあり方などについて、党所属国会議員や今夏の参院選候補、地方議員らがそろって批判を展開する。谷垣禎一総裁は6日、京都市で街頭演説する予定。

 ただ、党本部の要請が急だったため、準備が間に合わない地方組織が続出し、5日夕までに実施が決まったのは11都道府県連にとどまっている。【田所柳子】

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【第95回】海野信也さん(日本産科婦人科学会医療改革委員会委員長)

 日本産科婦人科学会の医療改革委員会では、2030年に90万分娩に対応できる医療提供体制の構築を目標とする「産婦人科医療改革グランドデザイン2010」の年度内の取りまとめを目指している。委員長を務める海野信也さん(北里大医学部産婦人科学教授)は、「病院の産婦人科医たちは、非常に過酷な勤務条件で働いている」と訴え、「現場の人間を大切にする医療システムにしてほしい」と話す。(高崎慎也)

■産科診療所は重要な役割を果たしている
―「医療改革グランドデザイン」の骨子案では、20年後に90万分娩に対応できる医療提供体制の構築を目標に、年間500人の産科専攻医を新規に確保することを掲げています。
 90万分娩を、誰がやるのかという問題があります。90万分娩に対応するには、産科医9000人前後の実働が必要です。ただ、われわれが努力できるのは、新たに入って来る医師の数を増やすことだけです。例えば今35歳で、20年後に55歳になっている医師の数は、今より減ることはあっても増えることはないでしょう。
 現在の産科医の実働数は6300人程度です。今のペースで毎年400人ずつ確保しても、20年後には7000人弱にしかなりません。しかし、500人ずつ確保できれば、20年後には8100人になり、目標に近づくことができます。
 ただ、年間500人というのは産婦人科にとって非常に大きな数字です。新規専攻医は、長年300人強しかいなかったのがここ数年、ようやく400人を超えたのが現状です。国や社会の協力がなければ、目標は達成できないでしょう。

―骨子案には、全分娩のうち2分の1から3分の2を産科診療所などの産科専門施設で担当することも盛り込まれています。
 分娩の取り扱いに関しては、病院よりも産科診療所の方が効率が良いのです。診療所は分娩が中心で、しかもローリスク分娩を主に取り扱っているからでしょう。08年のデータで、医師一人当たりが管理した分娩数が、診療所の216件に対して病院は100件を下回っていました。現在の分娩の割合は診療所と病院で半々ですが、病院での分娩の割合が増えれば、必要な医師数が増えてしまうのです。
 逆に言うと、これは「診療所の分娩をつぶすと大変なことになる」というメッセージでもあります。病院の産婦人科医たちは、非常に過酷な勤務条件で働いています。これ以上負担が増えれば、現場から撤退してしまうでしょう。

―産科診療所での分娩の割合を確保するには、どういった取り組みが必要でしょうか。
 産科診療所の数が、急速に減っている現状があります。今ある診療所がやめているのは、続ける経済的なメリットがないからです。また、新たに開業する人が少ない理由は、新規に参入するメリットがないからです。インセンティブを設けて、新規参入しやすい環境を社会的に整備することが必要でしょう。

―骨子案には、「産科診療所は地域の分娩環境の安定要因となり得る」とありますが、「経営基盤が揺るがない限り」との条件が付いています。
 産科診療所は、日本の分娩全体の48%を担当しており、地域の分娩環境を確保する上で極めて重要な役割を果たしています。しかし、経営状態は決して安定しているとは言えません。出産育児一時金の直接支払制度の導入が大きな問題となった背景には、こうした産科診療所の経営実態があります。
 ほかの科で有床診療所がどんどんつぶれているのは、今の診療報酬の体系では、有床診療所が経営を維持するのが難しくなっているということだと思います。そのため、足立信也厚生労働政務官は4月の診療報酬改定に際して、地域医療を支える有床診療所などを手厚くする意向を示しています。
 一方、産科診療所を診療報酬で支えることはできません。産科診療所の経営基盤は、ほかの科とは違います。ほかの科は診療報酬で経営していますが、分娩は自由診療ですから、収入において診療報酬の占める割合は非常に低いのです。
 産科診療所はこれまで、ほかの科とは全く別のシステムの下で運営されてきています。産科診療所を守ることは重要ですが、産科診療所のビジネスモデルは、今のシステムの中で構築されていることに注意しなければいけません。安易な制度変更でこれまでのシステムが崩れると、このシステムの下で役割を果たしてきた開業医が分娩をやめてしまう危険性が生じます。制度変更を検討する際には、地域の分娩環境を破壊しないための細心の注意が必要になります。

―全分娩に占める診療所の割合が増えた場合、どのような問題が生じる可能性がありますか。
 救急対応の患者には、診療所だけでは対応し切れない場合が出てきます。診療所が伸び伸びとローリスク分娩を担当するためには、ハイリスク分娩を引き受ける周産期センターなど、地域の周産期医療システムによるバックアップが常に存在していなければいけません。救急搬送の体制が地域で整備されていないと、診療所は危なくて開業できなくなります。

■処遇を改善できる施策が必要
―取りまとめたグランドデザインは、どのように活用されるのでしょうか。
 厚労省や文部科学省、自治体、病院との交渉の際に、日本産科婦人科学会の現状認識を示す基盤になると考えています。中央社会保険医療協議会(中医協)の遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)が、「医学系学会が医療をどうしたいのか、現状認識を示してくれないと分からない」と言っておられたようですが、その通りだと思います。それぞれの診療分野でそれぞれに特殊な事情がありますから、医療再建のためには各専門領域の学会が、現場の実情に即した考え方を明確に示すことが必要です。
 産婦人科が大変な状況にあることは、まだ十分には知られていないと思います。産科医療機関がつぶれたり、搬送先がなかなか決まらずに、妊婦がいわゆる「たらい回し」の状況になったりすると、国民に不安を与えることになります。産婦人科は、これまでも何度も大きな社会問題になって、国民に不安を与えてきました。これ以上迷惑を掛けないためにも、「今はこれが必要」というのをしっかり主張する必要があると考えています。

―先生が「今はこれが必要」と考えるのは、どのようなことですか。
 診療報酬に限らず、現場の勤務医の処遇を改善できる施策が必要だと思います。人を増やすには、それだけ良い勤務条件を用意しなければいけません。産科医がやりがいのある仕事だということは、みんな分かっています。ただ、勤務条件や報酬のバランスが取れていないから、産科医になりたがらないのです。ほかにも勤務条件や報酬などのバランスが取れていない科はありますが、そういう科は軒並み医師数が減っています。改善するための施策を、早急に実施する必要があるのは明白です。
 一つは、時間外勤務が長く、月の在院時間が300時間を超えるような医師を、金銭的に評価することです。現場の医師は、過労死水準をはるかに超えるほど働いています。医師不足の現状では、患者さんのためにやむを得ないと考えている一方、そのような貢献が社会的に全く評価されていないとも感じています。
 また、月の勤務時間を減らすため、医師を増やすことが重要です。500分娩当たりの当直担当医が5人なら、1か月の在院時間は274時間になります。しかし、500分娩当たりの当直担当医を8人に増やせば、1か月の在院時間は231時間にまで減らすことができます。
 中医協で嘉山孝正委員(山形大医学部長)が、医師の処遇改善のため、病院の人件費比率を下げないことを主張していました。4月の診療報酬改定で、病院の診療報酬が増えた分をどこに使うのか、それが問題です。人件費に使わないと、現場の勤務条件は改善されません。時間外に勤務している医師を金銭的に評価するにしても、人を新たに確保するにしても、人件費を増やす必要があるのです。
 人件費には、いろいろな使い方があると思います。メディカルクラークやコメディカルスタッフを確保することでも、医師の勤務条件の緩和につながります。ただ、それだけでは十分ではありません。医師数が増えないと、当直回数、時間は減らないからです。チーム医療も必要ですが、医師の確保も重要です。

―医師の確保にしてもチーム医療にしても、人件費を増やすことが医師の処遇改善には必要ということですね。
 人が自分の手を使って、人を手当てするのが医療の根本です。事務の省力化のために高いお金を使って機械やシステムを導入しても、かえって医師の手間が増えてしまい、医療の効率が低下する事態がしばしば起きています。良い医療のためには、人手がたくさん必要なのです。現場の人間を大切にする医療システムにしてほしいと思います。


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 鳩山由紀夫首相は3日の参院本会議での各党代表質問で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先を巡り、「普天間の飛行場が固定化することはなんとしても避けなければならない。最終的にまた戻ることはしないという決意のもとで議論している」と述べ、普天間飛行場の継続使用は認めず、新たな移設先を選定する考えを改めて強調した。岡田克也外相が「普天間が今のままということもあり得る」と発言したことについて、社民党の山内徳信議員が首相の見解をただしたのに答えた。

 また鳩山首相の偽装献金問題で、自民党の松村祥史議員が「首相は国家経営に不適当だ」と追及すると、「不適当かどうかは国民が判断することだ」と反論。民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体を巡る事件について「民主党内で発言する自由が与えられていない」との批判に対しては、「発言や批判の自由は何ら統制されていない。民主党議員は常に信念を持って行動しており、一人一人が検察の捜査を見守っている」と述べた。【野原大輔】

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